最近ビットコインについてニュースや新聞などの様々なメディアで取り上げられるようになりましたが、そもそもビットコインについてあまりピンと来ない人も多いのではないでしょうか?
ビットコインとは、インターネットを通して様々なモノに使える通貨のことで「仮想通貨」「デジタル通貨」などと呼ばれることもあります。
目次
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ビットコインは中央銀行がない通貨
仮想通貨とは、インターネットを通じてモノやサービスのやり取りができる通貨をいいます。
しかし、この定義はハッキリと決まっていません。そもそも、クレジットカードやデビットカードでも現金を使わずデータ上で取引が行われますし、銀行口座にある預金でさえも仮想通貨とも言えるのです。
ビットコインが従来からあるデータ取引との決定的な違いは、「中央銀行」がないということです。
中央銀行とは、日本でいう「日本銀行」やアメリカでの「FRB」など、その国の通貨を発行している機関のことをいいます。
ビットコインと既存のデータ取引との違い
一番ポピュラーなデータ取引は銀行口座間のやり取りである「振り込み」や「引き落とし」、または「クレジットカード」による決済でしょう。
また、チャージ式の「Suica」や「Edy」などのIC型プリペイドカードを利用する人も大勢います。
これら従来の中データ取引は、「円」でチャージしたり、月末にまとめて「円」で払うといったりと発行はあくまで日本銀行です。
それに比べ、ビットコインは「BTC」という独自の通貨単位で取引が行われるため、中央銀行とは完全に切り離されているのです。
中央銀行の役割
中央銀行には、市場が適正な価格で取引できるよう通貨の発行量を調整するという役割があります。
2008年に起こったリーマンショック以降、世界の中央銀行は揃って金融緩和政策を行いました。金融緩和政策とは、発行する通貨の量を増やし意図的にインフレへと導く金融政策のことをいいます。(反対に意図的にデフレ方向へ導くことを金融引き締めといいます)
インフレへ誘導すると、市場に回るお金の量が増え景気が良くなります。しかし景気が加熱しすぎると、ピークを過ぎたところで経済が一気に落ち込む危険性があるため、中央銀行は市場が加熱しすぎず、冷えこみすぎないよう調整しているのです。
ビットコインの価格は市場が決める
ビットコインの価格は市場によって決められています。円やドルなど中央銀行が発行する通貨も同じ変動相場制ですが、中央銀行は通貨の発行量で市場を操作することができてしまいます。
しかし、ビットコインの発行量はおよそ10分ごとに12.5BTC(2017年11月現在)と一律で、その価格は完全に市場によって決められています。
なぜビットコインはここまで価値が上がったのか
(2017年11月現在)1BTCが90万円を超えるまでに価値が上昇しました。今年の初めは1BTCがおよそ10万円程度、一年間で10倍近く価格が上昇したことになります。
なぜここまでビットコインの価値をが上昇したのでしょうか?それはビットコインは通貨として高いポテンシャルがあると認識され始めたからなのです。
通貨としての価値は、主に次の3つの要素によって決まっています。
- 有限であること
- 不正ができないこと
- 市場に広く流通していること
通貨としての価値を保つためには、実際のモノやサービスと等価交換できなければいけません。無限に発行できてしまう通貨は、いつ紙切れ同然の価値になってもおかしくないのです。
無限に発行できる通貨の例として店や企業が発行する「ポイント」などがあげられます。
また簡単に偽札が作れるような通貨や、データが簡単に改ざんできるような通貨は信用がありません。みんなが安心して使えるには「セキュリティー」や「管理」をしっかりする必要があるのです。
通貨には実際のモノに裏付された「兌換紙幣(だかんしへい)」と実際のモノの裏付がない「不換紙幣(ふかんしへい)」があります。
兌換紙幣には金などの現物と交換できるという価値がありますが、不換紙幣の裏付は「信用」のみです。
最後に、通貨としてもっとも必要なことは「市場に広く流通していること」です。
みんなに通貨を使ってもらうためには、「利便性」や「メリット」が必要です。しかし、いかにこれらが優れていてもシェアが広い通貨には中々対抗できません。
アメリカのIT長者であるピーター・ティールは著書の「ZERO TO ONE」で、自身の開発したメール決済システム「Paypal」が広く流通したのは、最初のシェア競争に勝ったからだと言っています。
ビットコインは、これらの通貨としての3つの価値を全て兼ね備えているのです。
ビットコインの発行量には上限がある
ビットコインの性質上、無限に通貨を発行することが可能だったのですが、設計段階でマイニングという概念を取り入れることにより、発行量を最大2100万BTCまでとしました。
通貨として2100万という量はあまりに少ないのですが、ビットコインは「硬貨」がなくデジタル取引なので0.1BTC、0.01BTC…という小数点以下の取引が可能です。
ビットコインの最小単位は1Satoshi(=1億分の1BTC)ですから、実質2100兆BTCという量の通貨が存在できることになるのです。
※今のところ仕様上、546Satoshi以下の取引は承認されることはありません。
ビットコインは不正ができない
ビットコインは「ブロックチェーン」「P2P」という技術を使っていて、今のところ不正がないだろうと言われています。
ビットコインを不正に入手するには、今までの取引記録全てを改ざんさせなくてはならないため、膨大な量の計算を行わなければなりません。
しかし、ビットコインは「マイニング」という計算で正規に入手することができます。
不正のために「労力」、「資金」を使うくらいなら、マイニングによってビットコインを入手した方が効率がいいのです。
仮想通貨の中で一番市場に流通している
今のところ仮想通貨のシェアは、中央銀行が管理している通貨(円やドル)に比べると天地ほどの差があります。
しかし、ブロックチェーン技術を用いた仮想通貨は「安全性」や「管理にかかる費用」が格段に良く、既存の金融システムを揺るがす存在になるのではないか言われています。
日本ではまだ少ないですが、海外ではクレジットカードのように、ビットコインで決済できる店も年々増えてきています。
もし、既存の通貨のシェアを仮想通貨が取って代わることになれば、仮想通貨の中で最も流通しているビットコインがますます存在価値を高めることになりそうです。